西郷隆盛、幕末・維新史、薩摩藩に関する話題など、幅広く書き込んでいます
私はマラソンが大好きです!

と、言っても、走るのが好きなのではなく、観るのが大好きなのです。
テレビのマラソン中継は必ず見ますし、また、毎年大阪で行われる「大阪女子マラソン」は、必ず沿道まで応援しに出かけます。
私自身、子供の時分からマラソンを見るのが大好きだったのですが、当時活躍していた瀬古利彦さんや宗茂さん、猛さんの宗兄弟に憧れて、中学生の時は陸上部に入ったくらいです(笑)。

マラソンと言えば、日本のお家芸とまで言われた陸上種目ですが、昨今の男子マラソン界は高速化が進み、今や世界記録は2時間2分台に突入し、世界の強豪に立ち向かえる日本の男子選手が少なくなったのはとても残念ですね……。
日本の女子マラソン界も、高橋尚子さん、野口みずきさんというオリンピックの金メダリストが続けて出たのを頂点に、その後は完全に低迷が続いています。
ただ、女子マラソンは、前田彩里さん(ダイハツ)という新星が登場し、もしかすると次のリオ五輪では、久しぶりにメダルが取れるかもしれませんよ。
私はこの選手にかなり期待しています(^^)

さて、話を再び男子マラソンに戻しますが、先日、

陸上競技社編『マラソン哲学 ~日本のレジェンド 12人の提言~』

という本を買って読みました。
マラソン界に名前を刻んだレジェンドと言われる12人の元選手・関係者が、自らのマラソン人生を振り返ると共に、2020年の東京オリンピックに向けての提言等を書いた本なのですが、とても面白く読みました。
特に、世界のトップで活躍した瀬古さんや宗兄弟、中山、森下といった人達の話は、とても興味く読みました。

少し話がそれますが、皆さんはご存知ですか?
今、男子マラソンの日本記録(歴代最高記録)である2時間6分16秒は、元カネボウの高岡寿成さんが出した記録なのですが、何とその記録は、2002年10月に出たものです。
つまり、もう13年間も日本記録は破られていないということです。
また、ついでに書きますと、フルマラソンを走る上で、とても重要な記録となる陸上男子1万メートルの日本記録(27分35秒09)も、同じく高岡さんが持っているのですが、その記録はもっと古く、2001年5月のものなのです。
日本記録が十年以上も破られていないなんて、ほんと驚きですよね。

ちなみに、陸上男子1万メートルの日本歴代2位の記録は、マラソンランナーとしても有名な元ダイエーの中山竹通さんが出した27分35秒33ですが、この記録にいたっては、何と驚くなかれ、1987年7月に出された記録なのです。
つまり、30年近く前に出された記録が、今をもってして日本歴代2位の記録であり、その記録さえも今の現役選手は抜くことすら出来ていないというわけです。
これをもってしても、いかに日本の男子マラソン界が長らく低迷しているのかがよく分かります。
(逆に、それだけ中山さんが偉大なマラソンランナーだったことを証明しているとも思います)

現在は、「最強の市民ランナー」と呼ばれている川内優輝さんが、サブテン(フルマラソンで2時間10分を切ること)を何度も達成したとニュースになっていますが、世界のトップクラスの記録が2時間2分台から5分台に入っていることを考えれば、サブテンでは最早世界とは勝負にならない時代になっています。
瀬古さんや宗兄弟、中山さん、谷口さん、森下さんのような、世界に通用する強いマラソンランナーの出現を望んでなりません。

【2015/07/22 12:14】 | 読書感想
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歴史とは全く関係のない本ですが、ミスター高橋さん(以下、敬称略)の

『悪役レスラーのやさしい素顔』(2015年3月、双葉社刊)

を図書館で借りて読みました。
私のような40代の男性にとって、ミスター高橋と言えば、「懐かしい」と思われる方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、私は金曜8時に放映されていたプロレスの生中継を熱心に見ていたど真ん中世代です(^^)

ミスター高橋は、長く新日本プロレスのレフェリーを務められた方です。
アントニオ猪木がまさに全盛だった1970年~80年代にかけて、ビッグマッチはだいたいこの方がレフェリーをされていましたよね。

ミスター高橋は、既にレフェリーを引退していますが、2001年12月、彼はプロレス界に衝撃が走る本を書きました。

『流血の魔術 最強の演技』(すべてのプロレスはショーである)

これがその本のタイトルです。
いわゆるプロレスの内幕を描いた暴露本なのですが、私はこれを読んだ時、ほんと大きな衝撃を受けました。
ミスター高橋は、元レフェリーの立場から、そしてマッチメイカー(試合を組む責任者)だった立場から、全てのプロレスの試合にはシナリオがあり、最初から勝敗が決まっていたと、この本の中で告白したのです。

私は、この本を読んで、ほんと驚きました。
あの熱狂して見ていた名試合の数々は、全て作らたものだったとは!
私自身、歳を重ねるごとに、プロレスというものが完全な真剣勝負ではないことを分かってはいましたが、それでもここまで綿密にシナリオが作られていたということに驚いたのです。

この『流血の魔術』は、プロレス界でも物議を呼び、著者のミスター高橋はプロレス関係者から大批判を受けたのですが、この本の中でも書かれてあるとおり、プロレスに関して言えば、もう全てをカミングアウトする時期が来ていたようにも思いますね。
プロレスブームが去り、K-1やPRIDEのような総合格闘技が生まれ、そしてそれ自体も衰退してしまった今となっては、プロレスに真剣(ガチ)勝負を求める時代では無くなったような気がします。

そんな訳で、ミスター高橋の本については、その後もよく読んでいるのですが、今年出版された『悪役レスラーのやさしい素顔』は、70~80年代にかけて、新日本プロレスで悪役を演じた外国人レスラーの素顔や裏話が満載で、当時プロレスをテレビにかじりついて見ていた世代の人間にとっては、とても面白く、そして懐かしく読めます。

最近、妙に昭和が懐かしく感じてしまうのは何故でしょうか……。
歳のせいなのでしょうが、平成になって以後、世の中が大きく変わったと言うよりも、人の心が大きく変わってしまったような気がしますね。
何と言いますか、人の心自体に余裕が無くなり、何だかせせこましくなったような気がしてなりません。
あの昭和のゆったりと流れていた時間が、とても懐かしく感じられてなりません。

【2015/07/02 12:39】 | 読書感想
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先日、三好徹さんの『興亡と夢』(全五巻。集英社文庫)を読み終えました。
この本は、昭和61年に刊行されたもので、かなり古い本になりますが、ものすごく面白かったです。

以前にも少し書きましたが、私自身は日本の近代史に弱いため、その時代の普遍的な知識を最低限入れたいと常日頃から思っているのですが、この『興亡と夢』は、まさにそれに相応しい本でした。
読みやすく、そして何と言っても分かりやすい。
私のような近代史に無知な男でも、スラスラっと、そして面白く読むことが出来ます。

『興亡と夢』は、週刊ヤングジャンプ、つまりマンガの週刊誌に連載されていたもので、やはりターゲットは当時の若者たちだったのでしょうね。
「二.二六事件」から始まり、「太平洋戦争開戦」を経て、「終戦」そして「日本国憲法制定」に至るまでの近代史の概略を、歴史に親しみがない人たちにも分かりやすい形で、ドラマティックに描いたものですから、非常に読みやすく、そして面白く読むことが出来ます。
また、日本が戦争に向かう政治状況だけではなく、当時の風俗や文化史(プロ野球の話なんかも書かれています)にも触れられていますのでオススメです。

私自身、三好さんは好きな作家の一人で、これまでたくさんの作品を読んでいますが、『興亡と夢』は、私の中では五本の指に入る傑作かと思います。
現在では古書としてしか販売がありませんが、見つけられたら、是非手に取ってご覧になってみて下さい。
ちなみに、『興亡と夢』はマンガではありませんので、お間違えなく!

【2015/06/25 12:34】 | 読書感想
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年明けから年度末にかけて、仕事が忙しかったものですから、なかなかブログを書くことが出来ませんでした。
いよいよ春到来ですね。
寒いのが苦手な私にとっては、待ちに待った季節がやって来ました(^^)

ここ最近は読書の話ばかりですが、今読んでいるのが、宮城谷昌光さんの『三国志』です。
宮城谷さんと言えば、中国の歴史物をたくさん手がけられている著名な作家ですが、私の好きな三国志をいよいよ書かれたということで、ブックオフで買って読んでいます。

三国志と言えば、講談調(小説風)の『三国志演義』を題材としたものが多く、魏の曹操が悪者で、蜀の劉備が善者のように描かれる傾向がありますが、宮城谷さんはそれに疑問を感じるようになり、いわゆる正史の『三国志』を題材にして、真の(と言えば、大げさですが)三国志を描こうとしたようです。(連載は『文藝春秋』で行われており、昨年完結されました)

読んでみれば分かりますが、これは史伝風の小説ですね。
なので、今までの英雄達が活躍する三国志に慣れている方が読むと、少々退屈に思われるかもしれません。
実のところ、私も最初の三巻くらいまでは退屈でした(^^;
と、言うのは、なかなか曹操や劉備が出てこないんですよね。(後漢時代の前置きが非常に長いので)
ただ、真に三国時代を理解するためには、やはり後漢中期から末期までの政治状況や歴史的背景などを理解しないとならないのでしょう。
宮城谷さんは、その意味において、時代をだいぶ遡って書かれたのだと思います。
海音寺潮五郎の史伝文学に慣れた私にとって、その書き方はとても好感が持てるものでした。

私が今読んでいるところは、いよいよ諸葛亮孔明が登場したところです。
これから赤壁の戦いなど、三国志の醍醐味を味わえる話が続いていくので、読み進めるのが楽しみです。

三国志〈第1巻〉 (文春文庫)三国志〈第1巻〉 (文春文庫)
(2008/10/10)
宮城谷 昌光

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【2014/03/27 12:26】 | 読書感想
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遅れましたが、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年のお正月は宮崎で過ごしたのですが、驚くような暖かさで、ビックリしました。
宮崎はまさに秋口の陽気で、コートなんて要らないどころか、車を運転していると、直射日光がキツくて、クーラーまでつけたくらいです。
大阪も少し暖かかったようですが、それでも考えられない陽気でしたね。

さて、往きの飛行機の中で『騎手の一分』(講談社新書)を読んだのですが、これが非常に面白くて、アッという間に読み終えました。
この本の著者は、JRAの現役騎手である藤田伸二さんです。
この本の中で、藤田騎手は、昨今の競馬界の話をこれでもかというくらいに暴露と言いますか、批判して書いています。
現役の騎手でこれだけ書くのは相当勇気のいったことだと思いますが、競馬界の暴れん坊と言われた藤田騎手ならではのことでしょうね。

私自身は、昔競馬がすごく好きで、よくやっていたのですが、その頃にデビューしたのが藤田騎手でした。
デビュー当時から、藤田騎手の騎乗はベテランの域に達していて、私ら競馬好きの仲間内では、「人気薄の藤田を狙え」なんて言っていたくらい、競馬で言うところの穴(予想に反して、人気薄の馬が1、2着に入ること)をよくあけていたことを思い出します。

その藤田騎手がこれまでの騎手生活を振り返って、現在の競馬界の問題点や騎乗スタイル、その考え方や先輩・後輩のことを余すところ無く書き尽くしたのが本書です。
競馬を知らない人が読んでも余りピンと来ないかもしれませんが、少しかじった人や好きな人なら、とても面白く読めると思います。
特に、武豊、岡部幸雄といった騎手達が活躍していた頃に競馬をよくした人は必見ですよ!

騎手の一分――競馬界の真実 (講談社現代新書)騎手の一分――競馬界の真実 (講談社現代新書)
(2013/05/17)
藤田 伸二

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【2014/01/10 12:11】 | 読書感想
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あけましておめでとうございます。
”華”煌めく
お正月に宮崎に行かれたのですね。

私も伊勢神宮に初詣でに行きました。
毎年大晦日の夜出発して、午前4時ごろ到着します。
夜明け前の神宮は身を切るような寒さなのですが,
今年は比較的暖かかったです。
この暖かさは全国的だったのでしょうか?
寒さに震えることなく、お詣りできほっとした反面、
例年の冷たい空気に触れられず、
物足りなさも感じました。

なにはともあれ、お元気なご様子、安心いたしました。
今年もお元気に、ご活躍ください。


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三好徹『まむしの周六』を読み終えました。
「まむしの周六」とは、明治時代の新聞人であり、翻訳小説家でもあった黒岩涙香こと黒岩周六のことです。
周六は「萬朝報(よろずちょうほう)」という新聞を発刊し、「一度食いついたら離れない」という性質から「まむしの周六」とあだ名され、明治期のジャーナリズム史に名を残しました。

『まむしの周六』では、若き日の周六の日々から萬朝報を立ち上げた頃、涙香誕生、そして幸徳秋水ら社会主義者との決別などなど、明治期のジャーナリズム史が分かってとても面白かったです。
今でこそ新聞記者と言うと、ちゃんとした地位を持った職業ですが、明治期にはそうではなかったみたいですね。
また、発行部数競争が熾烈を極めていたようで、いかに読者を掴む記事を書くか、ということに焦点が当たっていたようです。

明治期のジャーナリスト史に興味を持たれている方は、是非ご一読下さい。

【2013/12/16 08:39】 | 読書感想
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良いお年を!!
”華”煌めく
こんにちは
いつも拝見しています。
 「熊撃ち」は衝撃的でした。未だに脳内から離れません。
そんな先人の苦労の末の今の繁栄なのでしょうね。
 グリル「ミヤコ」は懐かしかったです。

 今年も残すところあと二日。
無事に年を越せることに感謝し、
来る年も良い年となりますよう祈りつつ、
年末のご挨拶に代えさせていただきます。
 どうぞ良いお年をお迎えください。v-22




おめでとうございます!
tsubu
”華”煌めくさん

遅れましたが、明けましておめでとうございます!

なかなかブログが更新できずにおりますが、お読み頂いてありがとうございます。
最近は読書感想文ばかりになっていますが(^^;
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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昨年度(2012年)に解散した海音寺潮五郎記念館が発行した『海音寺潮五郎未刊作品集(全四巻)』を手に入れました。

実はこの書籍、海音寺潮五郎記念館の最後の事業として発刊された非売品です。
全国の図書館及び関係者にのみ配られたものなのですが、先日、偶然に古書店で売られているのを発見し、すぐに購入しました。
値段は約○万円と結構高くつきましたが、それでも満足です。
海音寺文学を愛して止まない私にとって、この書籍は喉から手が出るほど、欲しくて欲しくてたまらなかったのです。
こんなに早く念願が叶うとは思いませんでした。

しかし、非売品で図書館と関係者だけに配られたものがこんなに早い段階で売りに出されているということは、つまりこの書籍をもらった関係者のどなたかがすぐに古書店に売ったということです。
ほんともったいないと言いますか、この本のありがたみが分かっていないと言いますか……。
ただ、そのお陰で私も手に入れることが出来たのですから、心中少し複雑です。
この本に限らず、非売品の書籍が古書店で売りに出されているケースはたくさんありますが、こんな風に簡単に売られてしまうのであれば、それを欲しいと思っている人たちに最初から売ってあげた方が何倍も価値があるし、良い気がしますよね。
ついでで書くのは何ですが、海音寺潮五郎記念館の財団法人解散は、本当に残念でした。
海音寺潮五郎記念館の解散により、海音寺文学を顕彰する組織は実質上無くなってしまいました。
海音寺潮五郎のような偉大な歴史作家に、資料館や記念館が一つも存在していないのは、本当に残念で仕方がありません。
海音寺さんの郷土・鹿児島には、「かごしま近代文学館」という施設があり、海音寺潮五郎に関する展示がありますが、あくまでもそれは鹿児島ゆかりの五人の作家の内の一人であるという扱いであり、当然、展示物も1コーナーに展示されているに過ぎません。
かごしま近代文学館を訪れた方は分かると思いますが、同じく鹿児島ゆかりの作家・向田邦子さんに対する扱いと比べれば、どちらに力が入っているか一目瞭然です。

海音寺潮五郎記念館の解散に伴い、遺品や資料そして著作権は、鹿児島県の自治体等に寄贈されたようですが、是非それを有効活用して頂き、海音寺文学の顕彰にもっと力を入れてもらいたいと切に願うばかりです。
先日、鹿児島で話題になりましたが、議員を海外研修に派遣するような、公共機関にありがちな無駄な出費にはしないでもらいたいですね。


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【2013/11/07 08:54】 | 読書感想
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海音寺記念館
福太郎
おはようございます。

海音寺潮五郎記念館の解散の話は聞いたことがあります。鹿児島市文学館や図書館、大口市などに多額の寄付・遺品寄贈が成されたみたいですね。

tsubuさんも、外食されたり、全集購入されたり、少しずつ前の状態に戻られているようですね。

またこのブログが活気あふれる交歓の場となることを願っています。

ではまた。



ありがとうございます
tsubu
福太郎さん、こんにちは。

いつもお気遣い頂きまして、本当にありがとうございます。
お陰さまでだいぶ元の調子を維持できるようになりました。
ただ、ごまかし・ごまかしなんですけどね(^^;

さて、海音寺潮五郎記念館の解散は本当に残念なことでした。
海音寺さんの没後すぐに、郷里の大口市(現・伊佐市)に記念館を建設する予定があり、着工寸前までいったのですが、当時計画された大口市の都市計画事業の影響で、用意していた用地が急遽使えなくなってしまい、話が流れてしまったんですよね。

タイミングが悪かったとしか言いようがないのですが、この時に建ててさえいれば、今でも大口の観光資源にもなったでしょうし、立派な記念館があったのだと思うと、返す返すも残念で仕方ありません。

とにかく寄贈された海音寺さんの遺品関係については、各団体にちゃんと有効利用してもらいたいと切に願う次第です。



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先日、ブックオフをぶらぶらしていたら、吉村昭『熊撃ち』(現在絶版)という文庫を発見しました。
105円でしたので、すぐに購入して読みましたが、吉村さんの熊モノ(と、私は読んでいます)は、どれも臨場感に溢れていて、面白いですね。

吉村さんの熊関係の代表作と言えば、『羆嵐』ですが、これもオススメです。
大正4年に北海道で起きた実際の事件(三毛別羆事件)をモデルとしていることから、少し凄惨なシーンの描写がありますが、当時の緊迫感がひしひしと伝わってきて、一気に読めます。
吉村さんは他にも動物をテーマにした小説をたくさん書かれていますが、やはり熊関係が一番オススメですね。

また、山崎豊子さんがお亡くなりになられてから、再度『華麗なる一族』を読み返しています。
私は山崎作品では、『華麗なる一族』が一番好きです。
『華麗なる一族』の中で描かれる銀行の合併話なんて、今では当たり前のことになってしまいましたが、執筆当時としては斬新な話だったことでしょうね。
また、ラストで衝撃の結末も待っています。

先日、と言っても、もう三ヶ月ほど前のことですが、兵庫県明石市にある舞子ビラ神戸という、淡路島の対岸で明石海峡大橋が綺麗に見えるホテルに宿泊したのですが、ここは『華麗なる一族』の中にも描写が出てくることで有名です。
館内には少しだけですが、そのことを紹介する展示コーナーも設けられていて、華麗なる一族ファンは楽しめます。
そうそう、ここのホテルの夕食バイキングも種類が豊富で結構オススメですよ(^^)

【2013/10/30 12:33】 | 読書感想
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吉村昭『逃亡』を読了しました。

私は、作家では海音寺潮五郎を溺愛する者ですが、吉村昭もとても好きな作家の一人です。
以前、ホームページの掲示板で吉村作品を勧められて読んで以来、完全にハマりました。
この感覚は海音寺さん以来です。

吉村さんは、主に戦記モノや歴史小説(特に幕末から明治にかけて)をたくさん執筆された方ですが、史実について徹底的にこだわられた人です。
とても有名なエピソードですが、「桜田門外の変当日に降っていた雪がいつ止んだか?」までこだわりを見せた方で、綿密な調査の上での創作を基本とされていたせいか、主人公の吐くセリフが、現実にそう言ったかと思えるほど、読んでいて非常にリアルに感じるんですよね。
そのため、吉村さんの作品は歴史小説とは言え、史伝を読んでいるような感覚を持たせてくれるので、海音寺文学と同様に愛読しています。
さて、吉村さんの作品で好きなものはたくさんあるのですが、特に、『長英逃亡』と『漂流』はオススメですね。
前者は、吉村さん得意の逃亡モノ、後者はこれまた吉村文学の特徴でもある漂流モノです。
この二作は、読んで損がありません!

そして、今回読了した『逃亡』ですが、その名の通り、吉村さん得意の逃亡モノです。
作品の時代背景は、太平洋戦争真っ直中の戦時中のことです。
ある一人の海軍兵が主人公なのですが、ほんと些細なことが発端となり、彼は基地にあった戦闘機を放火し、逃亡する運命を辿ります。
吉村さんが書いた「プロローグ」によると、実話に基づいた作品のようですね。
主人公が追い込まれていく感情が非常にリアルに描かれていて、とても面白く読みました。

しかし、人間の人生の変転って、ほんと不思議なものですね。
ひょんなことから、普通に生活していた人間が大きな罪を背負ってしまう……。
日常の中に潜む、目に見えぬ脅威というのでしょうか、恐怖とでも言うのでしょうか。
普通に生活していた人が陥る「落とし穴」のようなものが、身辺にあるということを考えさせられる作品でした。
是非、一読をオススメします。


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【2013/10/10 08:35】 | 読書感想
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最近、読書感想ばかりですが(^^;、藤波辰爾、長州力『名勝負数え唄 俺たちの昭和プロレス』(アスキー新書)を読了しました。

私は、新日本プロレス全盛時代の真っ直中に育った、テレビで食い入るようにプロレスを見ていた世代です。
当時は、金曜午後8時のゴールデンタイムにテレビでプロレス放送(しかも生放送)があった時代でしたから、世間がプロレスに熱狂していた第二次黄金期でしたね。(第一次は言わずとしれた力道山時代ですが)

そんな中、繰り広げられた藤波辰爾(当時は辰巳)と長州力の対決は、『名勝負数え唄』と呼ばれ、後々まで語り継がれる名勝負が多かったのですが、この新書では、二人の対談とそれぞれの簡単な自伝などが掲載されていて、当時、新日本プロレスファンだった人にとっては、たまらない一冊です。
実はこの新書と併せて、二人の対戦が収録されている、『燃えろ新日本プロレス』というDVD付き冊子の『vol.25 永遠の名勝負数え唄』まで買ってしまいました(笑)。
久しぶりに二人の対決を見ましたが、DVDを見ていると、当時を思い出しますね。
私は藤波派だったので、長州が大嫌いでしたが(長州派の方、すいません^^;)、今見ても二人の対戦はスピード感があって面白いです。

藤波さんは、アントニオ猪木二世とか猪木の後継者と言われて、何だかエリート街道を歩んできた人のように思われがちですが、実はすごく苦労人なんですよね。
中学を卒業後、地元の大分県で働きながら、日本プロレスに入門する機会を伺い、ようやく夢を実現させるのですが、藤波さんは元々レスリングの素地が全くなかった人なので、入門後は相当苦労したそうです。

反対に、長州さんは、例の「俺は藤波の噛ませ犬じゃない」という有名な「かませ犬発言」から、何だか底辺から這い上がってきた人のようなイメージがありますが、アマレス時代はミュンヘンオリンピックにも出場していて、藤波さんと比べると、レスラーとしてはエリートコースを歩んできた人です。
その二人がプロレス界では立場が逆になって、数々の名勝負を生み出したのですから、ほんと不思議ですよね。

と、当時のプロレスの話をしていたら、止まらなくなりそうです(笑)。
昨年出た新書ですが、新日本プロレスファンの方、オススメですよ!


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【2013/09/25 17:49】 | 読書感想
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