西郷隆盛、幕末・維新史、薩摩藩に関する話題など、幅広く書き込んでいます
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前々回に書きました、「国の難病対策について」ですが、それとは少し離れますが、もう一点、この4月から改正が行われた「障がい者認定の見直しについて」についても少し思うところがあり、書きたいと思います。

私は一昨年の冬、前々回に書いた心臓病が原因で、胸にICDという機械を埋め込みました。

「胸にICDが入っているんです」

と言うと、決まって「あっ、ペースメーカーですか?」と言われるのですが、ICDと心臓ペースメーカーは根本的に全く違うものです。
ご存じない方も多いと思いますので、まずはそのことから書きたいと思います。

心臓ペースメーカーというのは、心筋(心臓の筋肉)に電気刺激を加えることによって、収縮活動を促す(補助する)ためのもので、つまりは脈が極端に遅くなる(徐脈)など、心臓が正常に収縮しないような事態が起きた際、電気刺激を与えて心臓の動きを手助けするためのものです。

一方、ICDはと言うと、これは「植込み型除細動器」と呼ばれるもので、心臓が痙攣するような不規則な動きを生じる、いわゆる心室頻拍や心室細動などの心臓停止を伴う致死性の不整脈が生じた際、心臓に大きな電気的ショックを与えて、心臓の働きを元に戻す(回復させる)ためのものです。
AEDの体内版だと考えると想像が付きやすいかもしれませんね。

以上、読み比べられると分かるかと思いますが、この二つの機械の役割は根本的に違っています。
この二つの機械の性質は、全く別物と言って良いでしょう。
ペースメーカーが「心臓が正常に動くように手助けするもの」、つまり転ばないように常に持ち歩く「杖(つえ)」のようなものに対し、ICDは杖のように、転ばないようにするためのものではなく、転んでしまった時に頭を打たないように敷くクッションのようなものと言えば良いでしょうか、つまり命にかかわる危険が生じた際、心臓を蘇生させるために働くものであるということです。

この二つの機械の違いを理解して頂いた前提で、話を進めますが、今年の4月1日から、障がい者認定基準の見直しが全国的に行われました。
これまで心臓病を理由に、ICD及び心臓ペースメーカーを体内に埋め込んだ人は、無条件で「障がい者1級」に認定されていたのですが、民主党政権時の平成24年、とある民主党議員の発言がきっかけで、その基準が見直されることになりました。
その民主党議員は、国会内の予算委員会の中で、

「身体障がい者1級に認定されている人達の中で、1級に問題があるのではないかと思われる人達がいる。例えば、ペースメーカーを埋め込んでおれば、もう心臓が止まることは無いので、平気でゴルフなどをしている人達がいる。これは問題である」

といった趣旨の質問を厚生労働大臣にし、障がい者認定の基準を見直そうとする動きが始まったのです。
そしてその結果、今年の4月、障がい者認定基準の見直しが正式に決定しました。
結論から先に書きますと、この認定基準の見直しにより、次のような変更が生じました。

ICD及び心臓ペースメーカーを体内に埋め込んだ人は、埋め込んだ直後は1級に認定するが、それは継続的なものではなく、三年毎に再認定を受けなければならない。
再認定の際、ペースメーカーやICDへの依存度(病状)により、再度1~3級に認定される。
つまり、機械を入れた直後は一級にするが、三年毎に再認定をして、機械を入れて病状が良くなった人、元気になった人は障がい者認定を軽くしますよ、ということです。
この話、一見ものすごく妥当なもののように見えますが、私はそうとは思えません。
確かに、心臓ペースメーカーの場合は、その病状の軽重にもよりますが、一旦体内に埋め込んでしまえば、機能不全を起こしていた心臓は機械の手助けで蘇り、元気だった頃のように、何の障害や不自由もなく、普通に生活できる人はたくさんいます。
QOL(Quality Of Life)、つまり生活の質は向上・改善し、国会内で話題となったゴルフどころか、テニスやランニングなどの割りと激しいスポーツをしている人さえもいます。

しかしながら、ICDはそうではありません。
これまで書いてきたとおり、心臓ペースメーカーは病状を一種改善させるためのものですが、ICDはそうではないからです。
例え体内に機械を埋め込んだとしても、その病状に何ら変化はありません。
ICDを埋め込んだから心臓が良くなる訳でもないからです。
つまり、ICDは病状を改善するために埋め込まれるものではなく、死の危険が迫った時のことを考えて、死なないための最終手段、命の綱として埋め込まれているということなのです。

言葉は悪いですが、ICDは心臓ペースメーカーとは違い、言わば体内に時限爆弾を仕込まれているようなものです。
ICDを埋め込まれた患者は、いつ致死性の不整脈が出て、大きな電気ショックが起きるかもしれないという不安が常につきまといます。
心臓ペースメーカーとは違い、ICDを埋め込んだ患者の多くは、常に精神的に不安なものを胸に抱えながら生きていると言えましょう。
私なんかは開き直って、平然とパチンコなどにも行きますが、その精神的不安から、仕事が続けられなくなったり、家から出られなくなって、引きこもる方も多いそうです。

少し長くなりましたが、今回の「障がい者認定基準見直し」の一番理解しがたい点は、心臓ペースメーカーとICDを一緒に取り扱っているということです。
何度も書きましたが、この二つの機械は機能からしてまるで別物であるのに、心臓病のために埋め込まれている、という理由だけで、混同され、同じようなもののとして取り扱われているのです。
ICDを埋め込めば、さも病状が回復するかのような幻想を抱かせる、今回の改正は全く納得がいくものではありません。
私自身はこういった病気になるまでは、心臓ペースメーカーの役割もICDの存在も、全くと言って良いほど何も分かっていませんでしたが、自らがそういう立場になり、色々と見えてくることが多いです。


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この話、一見ものすごく妥当なもののように見えますが、私はそうとは思えません。
確かに、心臓ペースメーカーの場合は、その病状の軽重にもよりますが、一旦体内に埋め込んでしまえば、機能不全を起こしていた心臓は機械の手助けで蘇り、元気だった頃のように、何の障害や不自由もなく、普通に生活できる人はたくさんいます。
QOL(Quality Of Life)、つまり生活の質は向上・改善し、国会内で話題となったゴルフどころか、テニスやランニングなどの割りと激しいスポーツをしている人さえもいます。

しかしながら、ICDはそうではありません。
これまで書いてきたとおり、心臓ペースメーカーは病状を一種改善させるためのものですが、ICDはそうではないからです。
例え体内に機械を埋め込んだとしても、その病状に何ら変化はありません。
ICDを埋め込んだから心臓が良くなる訳でもないからです。
つまり、ICDは病状を改善するために埋め込まれるものではなく、死の危険が迫った時のことを考えて、死なないための最終手段、命の綱として埋め込まれているということなのです。

言葉は悪いですが、ICDは心臓ペースメーカーとは違い、言わば体内に時限爆弾を仕込まれているようなものです。
ICDを埋め込まれた患者は、いつ致死性の不整脈が出て、大きな電気ショックが起きるかもしれないという不安が常につきまといます。
心臓ペースメーカーとは違い、ICDを埋め込んだ患者の多くは、常に精神的に不安なものを胸に抱えながら生きていると言えましょう。
私なんかは開き直って、平然とパチンコなどにも行きますが、その精神的不安から、仕事が続けられなくなったり、家から出られなくなって、引きこもる方も多いそうです。

少し長くなりましたが、今回の「障がい者認定基準見直し」の一番理解しがたい点は、心臓ペースメーカーとICDを一緒に取り扱っているということです。
何度も書きましたが、この二つの機械は機能からしてまるで別物であるのに、心臓病のために埋め込まれている、という理由だけで、混同され、同じようなもののとして取り扱われているのです。
ICDを埋め込めば、さも病状が回復するかのような幻想を抱かせる、今回の改正は全く納得がいくものではありません。
私自身はこういった病気になるまでは、心臓ペースメーカーの役割もICDの存在も、全くと言って良いほど何も分かっていませんでしたが、自らがそういう立場になり、色々と見えてくることが多いです。

【2014/07/25 16:19】 | 雑感
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