西郷隆盛、幕末・維新史、薩摩藩に関する話題など、幅広く書き込んでいます
 1日目の宿と言うよりは、船中泊を除いた唯一の現地泊の宿ですが、別府の有名な温泉地・鉄輪温泉(かんなわおんせん)の小さなホテルに宿泊しました。
 宿泊料がとてもリーズナブルな宿でしたので、部屋もそれほどキレイではなく、情緒も余りありませんでしたが、温泉は源泉かけ流しで良いお湯でしたので、温泉好きの私はとても満足しました(^^)

 鉄輪と言えば、やはり「地獄めぐり」を思い出しますが、以前、このブログにも書きましたが、「地獄めぐり」と言えば、油屋熊八(あぶらや くまはち)のことを書かずにはいられません。
 油屋熊八は、別府観光の基礎を作ったとも言える、別府ひいては大分県の観光業に多大な功績を残した人物です。

 熊八は別府の生まれではなく、愛媛県宇和島市の出身なのですが、明治44年、別府に亀の井旅館(現在の亀の井ホテルの前身)を開業して以後は、別府を日本有数の観光地に仕立て上げるべく、様々なアイデアを駆使し、事業を展開しました。
 熊八は、現在別府市内の目抜き通りとなっている「流川通り」の拡張を行い、当時主要な交通手段でもあった汽船停泊のための桟橋を別府港に作りました。
 また、熊八は、全国各地に別府の名を知らしめるべく、一大観光キャンペーンを繰り広げました。

「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」

 熊八が考案したキャッチフレーズですが、語呂も良く、印象に残る言葉ですよね。
 このように、熊八は「交通インフラの整備」と「観光キャンペーン」という、まさしく現代の観光事業にも通じる手法を取り、別府の街を盛り上げることに貢献しました。
 また、熊八は、別府観光の目玉を作るべく、日本初の女性バスガイドによる観光(遊覧)バスの運行を始めました。
 今では当たり前の女性バスガイド付きの観光バスは、実は別府で誕生したものだったのです。

 このように油屋熊八という人物は別府には無くてはならない人物ですので、別府市内には油屋熊八ゆかりの地が点在しています。
 下記の写真は、熊八が創設した観光バス乗り場の跡地に建てられている、「地獄めぐり遊覧バス発祥の地」の石碑です。

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地獄めぐり遊覧バス発祥の地

 この石碑には、当時のキャッチフレーズの一節なのでしょうか、次のような文句が刻まれていました。

 地獄めぐりは 亀の井バスよ
 乗ればニッコリ 乙女の車掌
 名所解説 節 面白ふ
 唄う車内の 和やかさ


 当時の光景が目に浮かぶような、情緒があって良い節ですね。
 当時の地獄めぐりの遊覧バスは、さぞ観光客を楽しませたものだったのでしょう。

 ちなみに、油屋熊八という人物は、別府で亀の井旅館を開業する前、アメリカに渡航経験があり、クリスチャンでもあったせいか、お酒は一滴も飲まなかったのですが、亀の井旅館でも、お客に対して酒類は一切提供しなかったのだそうです。

「旅館というものは体を休めるところであり、飲酒をしたいなら外で飲むか、他の旅館に行ってくれ」

 と言うのが熊八の口癖であり、彼のポリシーだったようですね。

 今以上に当時は、

 温泉 =(イコール) 宴会

 という図式が当たり前だった時代だと思いますので、その中でとても思い切ったことをしたものです。
 確かに、旅館でお酒を飲んでどんちゃん騒ぎしている大人たちを見ると、少し旅情が失われると言いますか、ちょっと興醒めする時ってありますよね。
 熊八は、そういった旅人の心情にも配慮していたのかもしれません。

 また、JR別府駅前には、一風変わった油屋熊八の銅像が建てられています。(下記画像)

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油屋熊八銅像

 当日は雨だったため、少し写りが悪いのですが、少し変わった銅像だと思いませんか?
 銅像の副題でしょうか、その台座には、

「子どもたちをあいした ピカピカのおじさん」

 というフレーズが刻まれていました。
 ネットで検索してみると、この銅像は、彫刻家の辻畑隆子氏の手によって2007年に建立されたもので、熊八が小さな鬼がぶら下がっているマントをなびかせて両手を上げているのは、天国から舞い降りた姿を表しているのだとか。
 私は満面の笑みで、バンザイをして観光客を迎えている姿を表現しているのかと思っていたのですが、少し意外な理由でした。(何だかそっちの方がしっくり来ませんか?)

 今まで書いてきた別府だけでなく、熊八は、今でも大人気の温泉地である由布院の開発にも力を注ぎ、現在観光地として由布院が成り立っているのは、彼の功績の一つと言えるかと思います。
 以上のようなことから考えると、油屋熊八という人物は、大分県にとっては大恩人とも言うべき偉大な人物だと思います。
 またもや油屋熊八のことばかりになりましたが、油屋熊八という人物は、私にとって興味津々な人物ですので、また折を触れて彼のことを書いていきたいと思っています。


別府地獄組合:ようこそ「地獄」へ(←名前がスゴいですね・笑)
http://www.beppu-jigoku.com/

(3)に続く

【2016/08/25 17:16】 | 旅行
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